背景と目的
・今般、令和6(2024)年9月15日(日)に、第26回脳神経科学大阪セミナー(主催:運動神経科学研究会 代表:小松泰喜)を「BREEZE(ブリーゼ)プラザ:〒530-0001 大阪市北区梅田2丁目4-9)」において開催する運びとなりました。開催方法は十分な感染症対策を実施し、対面開催とさせていただく予定です(オンライン配信も検討)。
・第26回大阪セミナーでは、これまで以上に多くの研究成果と臨床効果を話題にすることを目指し、その内容を計画してきました。中でも、障害のあるアスリートの脳はその機能の再構築の過程から、ニューロリハビリテーション(以下、ニューロリハ)の手本(基本)であると位置づけています。ことから、パラリンピアンを中心に、スポーツ脳科学の解説の他、神経再生がどのように神経回路の接続を持って、新たな動作の習得や巧緻性の獲得ができるかについて議論を深めてきています。成人期のスポーツ動作、道具の操作など新たに習得することは、動作を学習するという観点から、すべて運動学習としてとらえることができ、生物学的な基盤として、神経可塑性に伴う、神経接続の強化や、新たな神経回路がつくられることにより、新たなリハビリテーションに期待が込められています。
・本研究会では、ニューロリハとしてその概念から手続きや過程を意図的に強化する方法の発見や、神経科学を基盤としたこれまでのあゆみを振り返り、脳・脊髄機能を中心に新たな知見をセミナーごとに整理をしてきています。また、身体動作のダイナミクス(身体各部の時間的変化)など、運動学習の過程を計算論として理解することや、運動制御や学習の知識と基盤となる研究を取り上げてきています。
・リハ専門職(リハ医、理学療法士、作業療法士など)に目を向けると、職能団体として社会的な認知はされつつも、治療の価値やその体系の確立はいまだ十分とは言えない状況が続いています。「臨床知を感性で終わらない」、「培った治療技術をいかに科学の本質として捉えるか」という点において、今もその科学的実証や学問的背景に絶えず取り組む姿勢が問われていることは事実です。
・第26回大阪セミナーでは、これまで以上に、リハ専門職の他、臨床応用が広まっているロボティクスの開発から臨床応用、身体への制御や動作に対する影響や臨床的な新たな観点を省察し、基礎理学・作業療法学の先進的研究活動の推進につながる臨床思考過程を取り上げています。また、スポーツ、パラスポーツを含めたヒトの動作・制御は脳の可塑性にどのような影響があるか、その脳部位や神経原理を知り、医療技術の進歩につながる心地よいサードプレイスを提供する内容となっています。